2007年06月30日

宮澤喜一元首相(元大蔵大臣)死去

IMG_4822mm.JPG2001年7月16日(Vol.58):金融・経済・経営分野のレポートです。
<この国の不良債権問題の根底を解く(3)> ビジネス知識源:良質な経営・IT・ビジネス知識の提供を目標に  http://www.cool-knowledge.com/吉田繁治から転載させていただきます。

・・・・・・・・・・まだ、誰も計算していない政府部門関連の失業の増加ですね。失業が増加すれば、政府支出である失業保険の給付が増えます。
それでまた、政府の借金が増加する。年金はどうなる・・・国家破産と言ってもいい

平成の高橋是清を気取った宮澤喜一大蔵大臣は、財政は破綻していると正直に言い、欧米マスコミをはじめとして世界中が騒ぎになって、失言であると取り消した。

しかし、50兆円の税収でその2.4倍を毎年使う政府の財政は、破綻です。簡単な計算でわかる。大蔵省が意図的に複雑に見せ、実態を隠したがり、マスコミも追求しないため多くの人が気がついていないだけです。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・ デヴィッド・ロックフェラーに認められた数少ない日本人である宮澤喜一元首相が亡くなられました。(結局、秘密を棺桶に持って行ってしまいました。)・・・・・・と書かれているブログがありましたが。どうゆうことでしょうか?

 CFR、TC、のメンバーで、デヴィッド・ロックフェラーの自宅で、TC(日米欧三極委員会)の英文の綱領を書き上げたのが、宮澤喜一元首相と聞いていましたけど、何処にも書かれていません。  で、調べてみると・・・・http://members.at.infoseek.co.jp/nfy001/aha/jdata/cache/146_1.html 本当かしら?
 何故、総理大臣を務めた人物が、再度大蔵大臣に就任したのか。日本の借金が666兆円になったことを発表した・・・・・・・・・・・・・・・。

IMG_4814mm.JPG こうゆう事に関しては、いろんな情報が溢れています。
 自分で選択してゆかなければ。
 誤った情報で、誤った選択は避けなければいけません。
 いろんな角度で、世の中を見なければいけません。

 闇の世界・・・・http://rerundata.hypermart.net/aum7/2/oz2/oz203a.html


 人脈、血脈を見ると・・・・http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k6/160704.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この国の不良債権問題の根底を解く(3):
         GDPの構造から見る、日本企業の問題
         税収50兆円で、121兆円を使う政府部門
         90年代のケインズ政策が残した問題

  ※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>

2001年7月16日(Vol.58):金融・経済・経営分野

    <この国の不良債権問題の根底を解く(3)>

ビジネス知識源:良質な経営・IT・ビジネス知識の提供を目標に
  http://www.cool-knowledge.com/吉田繁治
著者へのひとことメール⇒  yoshida@cool-knowledge.com


こんにちは、吉田繁治です。不良債権のシリーズ第3号をお届けします。今回の焦点をあてるのは、日本経済の全体内容です。

構造改革の必要性にまで至った、日本経済の問題を解きます。偉大な経済学者が考えたことのエッセンスに、短い解説を加えつつ。

1号・2号で示した<銀行―企業>の民間部門だけでなく、<政府・地方自治体・特殊法人>の公的部門は超借金運営で、膨大な債務を抱える。これは<準不良債権>と言えますね。倒産はないが、まともな回収は、困難だからです。倒産がないことが実は問題です。

最初は、金融の専門的なことを含んでいた1号・2号の復習をしてまとめ、2章からはGDPの内容の問題を解きます。


<Vol.58 この国の不良債権問題の根底を解く(3)>

目次と要約の3分

1.復習すれば

問題あり債権の111兆円、回収不能債権の見込みは67兆円。不良債権処理は、倒産予備軍100万企業の資産を収益還元価格でバーゲンすること。処理プロセスは、金融恐慌と隣り合わせになる。

2.現在のGDPの中身の問題を解く

知られているようで知られていないGDPの中味から、日本の投下資本利益率が米国の38%しかない低い投資収益の構造、及び政府部門の膨大な赤字の構造を解く。政府部門は、準不良債権先である。

3.政府、自治体、特殊法人、公共投資関連の雇用の実態

政府部門は、合計で50兆円の税収しかないのに、年間121兆円も使っている。71兆円は毎年の借金の増加である。もう、これは続けられない、ぎりぎりの時期に来たといえる。

4.なぜ、ここまできたのか?

縦割り行政での部分思考、バランスシートのない単年度大福帳(現金収支勘定)が、アカウンティング(説明責任)を回避させ、モニター(監視)の無い状態を生んだ。90年代の貯蓄に比べた民間投資の不足が、政府によるケインジアン政策を、正当化してきた。

5.90年代の10年間のケインズ政策の問題

ケインズの有効需要論も、短期では有効である。10年も続けば財政破綻に至り、将来の増税が予測され、政策の有効性が無効になる。


1.復習すれば

回収不能見込みの不良債権の確定(第1号の確認)

【531兆円のうち111兆円】
民間銀行を通じて、企業や個人へ融資された531兆円のうち、111兆円(推計100万社分:1000万人雇用)が、最新の金融庁集計で<回収に問題あり>とされている。(個人企業への融資を含む)

【回収不能見積もり67兆円】
(1)この111兆円の中で47兆円(43%)は、土地担保、保証、貸倒れ引き当てで、回収見込みが一応はあるとされている。
(2)ところが64兆円(57%)は、回収見込みがない。
(3)64兆円は、銀行の不良債権処理前の業務純益4.5兆円の14年分にもなり、私的整理では、負担はできない。

【処理を急げば】
不良債権処理を<2年から3年でやる>とすれば民間銀行への政府資金の注入(直接出資、または劣後債の購入)の方法しかなく、結局は、民間銀行の国有化になる。政府資金の注入を行わないと、銀行の自己資本が毀損され、信用がなくなり金融システムは崩壊する。

金融政策について(専門的議論:第2号(金曜増刊)の確認)

不良債権処理は、(1)戦略的、(2)方法的に行わなければならない。その戦略と方法の中に、政府・日銀の、金融政策がある。
だだし、その面での議論は進んでいない。プランの内容は明らかでないということを示しましたね。

【収益還元価格での大バーゲン】
不良債権処理は、収益還元法で計算された価格での100万社と個人の資産の、大バーゲンセールになる。

事例:宮崎シーガイア2000億円を、162億(8.1%)で。
現状では、他の不良債権整理の例では、回収率は、10%から20%です。

【マネーサプライの戦略】
次に、マネーサプライに関係する日銀の金融政策を解きました。銀行1行で見れば、<預金>と<貸出し>の単純なことです(素朴な理解)

信用乗数効果
しかし「銀行全体」で見た時は、<信用乗数(専門的理解)>で、ある銀行への100万円の当初預金が、銀行全体では何倍、何十倍にも膨らむ「信用創造」がある。(この信用創造の総額は、日銀が決める預金準備率と、民間でのマネー循環速度で決まる)

信用乗数効果の低下
信用の相互依存関係にある銀行間で、自己資本が減少し、信用の低下が起こると、信用乗数が低下し、民間銀行全体のマネー総額(マネーサプライ)が減少する。

事実、わが国の1992年に13倍であった信用乗数は、2001年では半分の6.69倍に低下しています。(07.06日経)
これは、民間でのマネー循環において、不良債権のため、信用創造が半分に弱くなっていることを示すのです。流動性の罠といいます。

フィッシャーの公式
ここで、マネーの供給(M)と流通速度(V)が、物価水準(P)とGDP(T)を決めるという<フィシャー公式:M×V=P×T>を示しましたね。
(1)左辺のマネーの供給(マネーサプライ)と流通速度が低下すれば、
(2)物価の下落と国民総生産の減少の両方、またはいずれかが起こる。これがまさに、現在の状況です。

【回収できる先からの回収が起こる】
銀行合計でのマネーサプライの急な減少は、(1)回収ができる優良貸付け先からの回収を促し、(2)日本経済の全体を縮小させることになります。これは、恐慌へ向かう道です。

回収できる優良先からの回収の事例は、北海道拓殖銀行が事実上の倒産をした時、北海道で事実として起こったことを示しました。

日銀は一貫して、<景気対策ではなく、日本経済の構造改革が先>と言っています。しかしマネーの供給が増えず、総信用の急な低下が起こることは、実は恐慌と言うのです。

金融政策は、戦略的にプランを立て、深い洞察で実行しないと、「誰も望まない恐慌」を起こす可能性が、大きいのです。

(※信用乗数を含む金融問題は、専門的なことですが、できる限り分かりやすくして、次号以下でも解きます。ここがキーだから)



2.現在のGDP、実物経済の取引総量の中身の問題を解く

毎日の新聞には、GDP(国内総生産)が0.5%増加したとか、1%低下したとか出ます。じゃこのGDPは何?と尋ねると、正しい答えができる人は、ビジネスマン(&ウーマン)の、5%以下に思えますね。企業活動や生活と、GDPはどんな関係か?

GDPは国内総生産(Gross Domestic Product)ですというだけで終わる人がほとんどです。経済学の知識のありなし、というのではない。家計簿をつけることができて、その数字を約6000万倍すれば、国家財政、GDPも、全く同じことです。

分からないのは、部分のみを見てきたためです。国民の多くが、国家予算と財政に関心を持っていれば、納税者による<モニター効果:監視効果>を生んで、ひどい状態は避けられたように思います。

今、ギリギリの時点になって国家財政に関心が強くなっています。

【専門と一所懸命】
この国での問題は、<専門>というコトバに、ほかのことに関心を持たない「一所」懸命の意味が含まれることです。そのため、みんなが全体を見ない。その結果が、現在の経済の悪化だと言ってもいいのです。世の現象のすべては、人々の思考方法の問題に還元されます。

みんなが予算要求
政治家も国民も、国家財政の運営を大蔵省キャリアに任せてきた。政治家は、業界団体に代わって増額予算を要求する族議員。国民は、国の予算を要求する圧力団体。その集合的意思の結果が、以下に示す、驚くべき内容です。

国家や行政に税収の予算以上の要求をするということは、結局は、自分の将来を担保にした要求であることに、気がつかなかったのです。

GDP(国内総生産)とは?
       (兆円は、例によって万円でみてください)

国内総生産(519兆円)=
      個人の消費額   (287兆円:構成比55%)
      +住宅の投資額  ( 20兆円: 4%)
      +企業部門の投資額( 76兆円:15%)
      +政府の消費支出 ( 84兆円:16%)
      +政府の公共投資 ( 37兆円: 7%)
      +輸出      ( 55兆円:11%)
      −輸入      (−48兆円:−9%)
(00年暦年:名目金額:在庫増減は少ないから省略)

これだけ見ても、分かりにくいでしょう。実際、基本的なことは、新聞も説明せず、末梢的な部分を取り上げます。そのため、議論やプランが混乱する。今回を機に、しっかり見ましょう。

特徴1:個人消費の構成比の少なさ

個人消費は、買物や交通・通信費、学費、交際費などの、家計や個人支出の合計です。(貯蓄・年金積立・税金は入りません)

個人消費は、住宅投資(後でローン支払いになる)を含めると、GDPのなかの構成比が59%。米国の個人消費は、GDPの70%ですから、日本は個人消費の割合が、10ポイントも低い。その分、政府部門が大きくなっている。

一方では、
(1)政府部門(政府の消費支出84兆円(構成比16%)と、政府の公共投資37兆円(7%)、両方の合計で構成比が23%と大きい。

(2)土地や建物等が高いため、企業の設備投資の名目額の構成比が、76兆円(15%)と大きい。

特徴2:日本の投資利益率は、米国の38%、西欧の50%しかない
(この項は極めて重要)

2001年現在、米国と同じ金額を、企業が日本で投資しても、平均すれば米国企業の38%の利益しか得られない

ROAの低さ
投下資本利益率(ROA:Return On Asset)は、米国企業の約3分の1に過ぎない。こんな利益率の低さでは、海外投資が増えるのが当然ですね。国内の空洞化現象です。

米国に1億円投資したときの平均期待利益率は8%(800万円)ですが、日本では、3%(300万円)にすぎない

高齢化の国々、欧州でも6%(600万円)ですから日本の2倍。
日本は、投資が儲からない国になっている。
(2000年:ロバート・フェルドマン:モルガン・スタンレー・チーフエコノミスト:06.27日経)

特徴3:政府の、世界最高の超借金財政

【政府部門は121兆円の支出:毎年71兆円の借金の増加】
政府部門(国+地方自治体)は、消費支出(84兆円:16%)と、公共投資(37兆円:7%)、双方合計で、GDPの23%ある。
これ自体が多いとは言えません。社会福祉が多い北欧ではもっと多い。

問題は税収が50兆円しかなく、しかしほぼ毎年、121兆円も使っているという、世界1の超借金体質です。

【政府の消費支出:84兆円、ここで34兆円の赤字】
政府部門の消費支出とは、社会保障費、国立のいろんな施設への運営、各省庁や地方自治体の運営、特殊法人の予算、国債の利払い等のネットの支出金額です。

ここで、政府はすでに、税収の50兆円では足りず、34兆円の赤字です。この構造的赤字は、毎年の国民からの借金の増加になる。

【公共投資:37兆円、これも全額借金】
公共投資は、今問題になっている道路、橋、空港、ダム、国や地方の設備、特殊法人への投資です。これが、37兆円ある。

(1990年日米構造協議
ここには実は11年前の背景がある。1990年の日米構造協議で90年代の10年間に450兆円の公共投資の約束が成された。この公共投資の正当化に、官僚は飛びついた。官僚組織の拡大、天下り先の増加につながるからです。目的であった内需拡大が、民需ではなく、公共投資に化けた詐欺です。(日本の大きな政策は、米国発です)

90年の日米構造協議の主眼は、日本の輸出依存成長の体質を変え、内需拡大(民需)を図ることだった。当時はバブル期、税収が好調で、政府の予算は黒字だった。皇居の地価で、日本の全面積37万平方キロと等しいカリフォルニア州が買えるという浮かれた時代で、10年での450兆円は、とても小さく見えたのです。

しかし、その後の不況で税収は減少した。国債と地方債の増発、郵貯を使った財政投融資で、つまり政府借金で実行されたのです。

【毎年の借金の増加額】
政府消費支出84兆円+公共投資37兆円=121兆円のうち、税収(つまり政府収入)でまかなわれているのは、50兆円のみです。
残りの71兆円は、「借金」の毎年の積み増しです。

【資金の源泉】
毎年の71兆円の借金は、国債発行、地方債発行、及び郵便貯金、年金、簡易保険などからの新規借り入れの、年間合計です。

1億分の1にすると、政府部門は50万円の収入しかないのに、121万円も使い、71万円ずつ借金を増やしている。普通は考えられないすごい運営ですね。こうした世帯や企業は、潰れる。


3.政府、自治体、特殊法人、公共投資関連の雇用の実態

こんな家計(国では財政)が、何年も続くわけがないことは、一目瞭然ですね。家計ならとうの昔に信用を失って、自己破産でしょう。

政府部門での雇用の実態

121兆円を使った、政府部門(国家、地方自治体、及び特殊法人の投資と支出)に関連する雇用総数は、現在1530万人です。
世帯人数では2920万人(総人口の23%)が生活している。

このうちで、
(1)50兆円の税収でまかなえている(正常)雇用は、650万人(世帯人数1230万人)であり、
(2)政府・自治体の赤字71兆円での(臨時)雇用は、880万人(世帯人数1690万人)です。10年も続けば臨時とは言えませんね。

仮に71兆円の赤字を、50兆円の赤字に押さえれば

国が、財政の構造改革を行って、毎年の借金の増加額を、現在の71兆円から、50兆円の増加にまで減らしたとしても、21兆円に相当する臨時雇用160万人(世帯人数で300万人)が失われます。

まだ、誰も計算していない政府部門関連の失業の増加ですね。失業が増加すれば、政府支出である失業保険の給付が増えます。
それでまた、政府の借金が増加する。年金はどうなる・・・国家破産と言ってもいい。

平成の高橋是清を気取った宮澤大蔵大臣は、財政は破綻していると正直に言い、欧米マスコミをはじめとして世界中が騒ぎになって、失言であると取り消した。

しかし、50兆円の税収でその2.4倍を毎年使う政府の財政は、破綻です。簡単な計算でわかる。大蔵省が意図的に複雑に見せ、実態を隠したがり、マスコミも追求しないため多くの人が気がついていないだけです。

まとめ

以上を、まとめます。よくここまで悪化したと、「感動」します。皮肉に言えば、国民の日本政府への「与信」はすごい。マネーに聡(さと)い華僑、ユダヤ人、アングロサクソンなら、だいぶ前に見放しているでしょう。

【まとめると】
(1)個人消費の構成比が少ない。
一人あたりGDPの額に比較して、国民の生活水準は低い。

(2)民間企業の投資では、米国と同じ利益額を出すには、2.6倍の投資金額が必要になっている。米国では1億円で済む投資が、同じ利益額を出すのに、2.6億円も必要になる。(この項重要)

※これが、民間の不良債権の、原因の根でもあります。つまり、国内は、必要投資資金が米国の2.6倍必要で、平均利益率が低い。

【高齢化・低成長の西欧と比較しても】
米国に比べれば利益率が低い西欧と比較しても、同じ利益額を出すのに、企業は2倍の投資額をかけている高コスト経済。長期的にはグローバル投資で、国内投資は、空洞化へ向かうのが必然です。

こんな数字を知れば、米国や西欧に投資したくなるのが普通です。

(3)政府(地方自治体を含む)部門は、借金での運営が71兆円分である。借金の増加で生まれている雇用が、880万人(世帯人数で1690万人)です

ぎりぎりの限界に来ている。かと言って、政府部門が借金の増加を押さえれば、即日、大量失業になる。そのために、数年がかりでしか、踏み込めない。いや、数年でも・・・終わらない。

【民間と政府部門の合計で、アブナイ雇用1880万人】
第1部で試算したように、民間(企業)部門の111兆円の<問題あり融資>による倒産予備軍の雇用数は、1000万人でしたね。

政府部門全体でも、政府部門の毎年の71兆円の借金の増加で生活している人(実質臨時雇用)が、880万人もいます。

官民で合計すれば、1880万人(総雇用の29%)です。労働者10人のうち3人は、将来雇用が、現在の賃金では実はアブナイ。恐るべき数です。

別の観点でいえば、公務員、準公務員、特殊法人、第3セクターなどに関連する人たちの、報酬の59%部分は、借金の増加で支払われていると言っても同じことです。そんな会社がありますか?

政府部門関連の雇用を、50兆円の税収だけでまかなえば、給料水準は41%に低下しなければならない・・・・唖然とします。

以上は、秘密の情報ではない。雇用一人あたり平均GDP=513兆円÷雇用6500万人=約790万円で計算すれば、小学生でも、計算はできます。(意味はわからないかもしれませんが)



4.なぜ、ここまできたのか?

理由

1990年以降は、
(1)民間設備投資の減少(90年の約100兆円→00年は76兆円)部分、
(2)及び個人消費の低迷部分、減少部分を埋めるために、
(3)借金での政府支出の増加と、公共投資の増加を、毎年行ったためです。

資金源は、民間銀行の預金の増加から、郵便貯金の増加にシフトした個人預金です。国は、郵貯・簡易保険・年金積み立てを使った<財政投融資という借金>を、とんどん増やせるという背景があった。

政府最終消費支出(84兆円:00年)は、1994年以降、民間設備投資(76兆円:00年)を上回るようになった。つまり、GDPの中における政府部門が、税収もないのに大きくなったのです。
比例して、相対的に、民間部門は小さくなった。
これが、91年から現在まで、10年も続いている。

(※参考:実は郵貯も大幅赤字)
財政投融資も、当然、金利支払いが必要です。これが郵貯の受取り金利になる。郵貯は受取り金利が7.9兆円、預金への支払い金利を含む業務費用が9.8兆円、差引き1.8兆円もの赤字です。
この国の政府機関は、赤字だらけ(2000年郵便貯金決算より)

政府部門が大きくなることの問題

【公共投資そのものは正しい政策】
しかし豊富な国民の預金の増加(90年代では毎年43兆円もあった)を、(1)民間が投資で使わないから、(2)代わりに政府部門が使うというのは、国家経済運営では、正しい方策です。

ケインズ政策>と言っています。そうしないと経済は縮小するか、余った資金が、利を求め海外に向かうかになる。

【政府部門の問題は、採算の概念の欠如】
政府(地方自治体を含む)部門の問題は、政府支出(00年84兆円)、及び公共投資(00年37兆円)に、投資採算や倒産がないことです。だからいつまでも、倒産しないで赤字が続き、国民負担になる。

投資採算とは、投資したマネーが利を生んで、そのリターンが富になるということです。投資採算を取れない民間企業は、倒産します。

【投資以後の国民負担が増えることの問題】
採算の考えがない政府支出で投資したあと、運営の赤字を埋めるためには、毎年、毎年、追加資金の投入を続ける。

<公共財>とは言っても、追加の国民負担が増加すれば、公共の受益が、根底からなくなるのです。(実は、ここが理解されていない)

一例を挙げれば、近畿地方の第3セクター(自治体の出資)の60社のうち、62%の37社は累積欠損を抱え、15社は債務超過になっています。赤字でも倒産しないから、整理されず、いつまでも税を投入することになる。3社だけ挙げます。(2000年度)

・アジア太平洋トレードセンター(累積欠損413億円)
・ワールドトレードセンター(累積欠損301億円)
・神戸新交通(累積欠損213億円)・・・・・(07.04日経)

欠損は、追加の税で埋めるしかない。埋めないと給料も金利も払えない。全国の街に、郊外に、田園に、類似の設備が山のようにある。

政府部門の採算の取れない投資は、民間銀行の融資の、問題あり先の111兆円どころではない。何倍もある。しかし、集計はない。

政府・公共部門は、単年度の大福帳で、金額は兆でも会計は家計簿と同じです。バランスシートはまだ公表されない。<モニター>がない。

国民負担の、最終的な増加

現状の政府、自治体、国立・県立の施設、特殊法人、第3セクターの全体、及び公共投資を維持するには、今の50兆円の税収を、<最終的には>2倍の100兆円くらいにする必要がある

問題はこれを、国民の半数以上が望むかです。もし望むならば、民主主義はそれでもいい。(注)最終的には100兆円という意味です。

そのためには、

(1)企業が、今の2倍の利益を出し、2倍の税を払う。つまり投下資本利益率が現在の3%から、西欧並の6%になること。企業の税率を今以上にあげれば、国際競争力はなくなります。法人税を上げる選択肢は、ないのです。
(2)加えて、個人所得の税率を今の2倍にし、消費税を10%〜15%以上にすることが必要です。所得は同じ額で、2倍の税を払うということです。

この2つが、受け入れられないのなら、国と地方の行政の抜本的な構造改革が必要になる。小手先ではだめです。
問題になるのは、現在、政府と自治体の借金で臨時雇用を得ている880万人(世帯人数で1690万人)です。一体、何年かかるか・・・

政府批判の容易さ

【だれが政府?】
政府を口で批判するのは、簡単です。新聞はもちろん、本家のキャリア官僚自身ですら、政府批判をする。なぜか?

誰も、自分を政府とは思っていないからです。どこか、別のところにあると思っている。それくらい組織は肥大し部分の縦割り思考です。

原理的には民主主義は、主権者である国民が、責任を取る制度です。しかし、そう思っている人が、誰もいないこと、及び政府・官僚は国民が主権者であることなるべく無効にしてきたことが、問題ですね。
国民・納税者による政府・省庁の、モニターの制度はないに等しい。

国家が大きくなると、普通、皆が無責任になる。国民が主権者であることは、嘘だったのか? 代議制の原理で言えば、選ばれた代議員が、国民に代わって権力を持つなら、彼らにノブレス・オブリッジが必要になる。そうしたものは、官僚も政治家も、消えていた。

【部分思考】
縦割り行政とは、大臣も部分思考であるということです。政府部門の全体に責任をもつ人はいなかった。閣議の案件は各省庁が、官房副長官が主宰する<各省事務次官会議>からあげたものしか、認められなかったのです。なんという・・・閣議まで官僚支配だった。

閣議は全員一致の原則があって、誰かが反対することはできなかったのです。大臣も総理も手足を縛られた状態で、官僚が作った閣議案件への、じゅんぐりでのサインの儀式のみをやってきた。

【旧大蔵省:俺達こそ国家だ・・・】
それくらい官僚組織が強かったのがこの国です。政治家は三流だが、官僚は優秀というのが国民の付託でしたね。そして、俺達こそ国家だというのが、大蔵キャリア官僚の、密かな自負だったのです。

大蔵キャリアの腐敗は、多くがノンキャリアからのインターネットを含めた、内部告発で暴かれた。50年も同じ体制が続けば、神経が麻痺し、青雲の志があっても、組織に染まり、誰でも堕落する。

(1)予算作成、(2)税、(3)金融行政の、国家運営の3本柱を握っていた大蔵省は支配者、執権、将軍だった。01年1月6日からの省庁再編で、現在は財務省になって、金融行政の部分は柳沢金融庁に分割されています。そして金融庁は、絹のハンカチの日銀が強い。

強大な実質権力を持つ財務省の大臣に、<塩爺>を据えたのは、<忘れました>というような、とぼけた味のある人でないと構造改革への反乱を押さえられないからです。塩爺は財務省大臣であるのに、経済は知らないと言ってしれっとしている。まぁ、奇特な資質です。子供から好かれれば、ホンモノの奇特ですね。

(注)現在では、金融の中味の政策で、権力を握ったのは、1997年に法的独立を果たした日銀。日銀権力は、これからの問題の焦点になります。絹のカーテンで、内部が見えないのが難点。

【田中外相の人気の理由】
田中外相を国民が支持する理由は、官僚に縛られた大臣とは違うと思っているからです。なぜ、彼女がフリーハンドで、ほぼ思いつきで、あれやこれや言えるか? 根底の理由がある。

新潟県で、父角栄以来の英雄期待の支持が続き、自民党も業界も関係がないからです。選挙で強ければ、政治家はなんでもできる。それへの、国民の期待がある。時に下品ですが、比喩の演説はうまい。

【対立候補を脅しに使った恐怖型リーダシップ】
人心懐柔の天才、田中角栄のメソッドは、従わなければ選挙で対抗馬を立てて落とすということだった。抵抗できる政治家は、いなかった。

角栄は枝葉でなく、政治家の命の根を押さえた。恐怖型リーダシップと言いますね。会社のトップが、立場だけでリーダシップを持てる根拠も、配転や首切りを含む人事権にあるのです。

議員は族議員、野党とは国対で面子(めんつ)を立てる手打ち、行政は縦割り、大臣はコロコロ替わる帽子、総理はその上の帽子、こうした行政が続き、結果が、現在です。

【小泉人気の理由】
小泉首相の支持が高い理由は、政府予算の赤字での受益者は国民の全体ではなく、一部の人たちだったのではないかとの国民の直感があるためでしょう。(小泉首相の師匠は、田中角栄との間で政治的死闘を演じた、元大蔵次官、福田赳夫です)



5.90年代の、10年間のケインズ政策が残した問題

GDPの恒等式

GDP=個人消費(C)+住宅投資(H)+企業設備投資(I)+政府消費(G1)+公共投資(G2)+純輸出E(輸出―輸入)
            (注)在庫増減は小さいから省略

1990年〜91年に、バブルを含んでピークを迎えた日本経済の後、個人消費(C)、住宅投資(H)、民間設備投資(I)の民間部門の支出減を補うために、国は、政府消費(G1)と公共投資(G2)、両方をまとめて政府部門支出を増やす、ケインズ政策を取った。

政府部門の増加支出の資金源

政府部門の支出は、50兆円しかない税収ではなく、
(1)国債・地方債(現在残高666兆円)、
(2)及び、郵貯・年金・簡易保険を使い、大蔵省が分配を握る第2の予算、つまり財政投融資で行われた。

資金源は、個人金融資産の増加分です。1990年に1000兆円だったものが、1999年には1390兆円まで増えた。毎年43兆円も増えたのです。どこまでも、勤勉な日本国民です。

増えたのは、郵便貯金です。郵貯(260兆円)には税逃れの、アングラマネーが、含まれている。文句無く世界ダントツの預金量。民間銀行を全部合わせた預金総額の、5割もある。

大蔵省権力の背骨であった郵貯は、来年の公社化が決定しています。その後の民営化は、小泉改革でも<検討>とされている段階。

公共投資は、1990年の日米構造協議で米国に約束させられた、10年間での450兆円だった。

ケインズの有効需要論の問題を見る

【ビンにオカネを詰めて埋めて、掘り起こす】
<政府プロジェクトが100%ばかげた内容のものであっても、ケインズの哲学は機能する。例えば政府が、ビンにオカネを詰めて穴を掘って埋める。それを掘り起こす権利を、企業に売るようなやりかたでもよい。(有効需要の)乗数効果が働くから、集計的な雇用効果は、初期効果(穴を掘る作業に人が雇われる効果)に比し、はるかに大きくなる(『信用恐慌の謎』(ラース・トゥヴェーデ:1998)>

ビンにオカネを詰めて、穴を掘って埋め、また堀り起こすような、バカげたことでもよい・・・経済学は、時に<常識>を超えますね。

これが、わが国では、実際に行われています。3月になるとあちこちを掘り起こし、アスファルトを流す道路が代表です。公共事業は、<失業者>を生まない目的の対策ですから、政策として正当化される・・・すこし、驚きましたか?

官僚がいくら非難されても、無駄になる箱モノ公共投資でもしれっと平気なのは、背景に、ケインズの有効需要論があるからです。

【有効需要と乗数効果】
ケインズの有効需要論は、
(1)ビンにオカネを詰め、穴を掘ってまた掘り起こす作業にも賃金が払われれば、
(2)その賃金は、お店からの商品購買、自動車購入、住宅ローン支払いになって、需要が次々に連鎖する<乗数効果>があるからということを、証明した。でも、これでの臨時雇用が巨大になれば・・・

多くの人が、<常識で無駄に見えることはやはり無駄だった>と感じたのが、10年後の現在です。今はこれが、世論になっている。

公共事業は、公共事業で箱モノを作ることに目的があるのではない。民間経済のパフォーマンスが、過去の投資過剰で循環的に落ちた時、雇用維持のために短期で必要・・・とケインズは言った。

とても有名な、しかし極めて難しい、素敵に優雅な文体で書かれた『雇用、利子および貨幣の一般理論(1936年)』です。どこの国の政府・官僚も飛びついた。これが、行政権力の拡大になるからです。

1936年以前、有効需要の原理は知られていなかった。経済はサイクル的に、好況とリセッション、恐慌を繰り返していた。マルクスが共産主義経済を説いた根底には、不安定で、恐慌と大失業を招く資本主義経済の本質があった。資本主義は露骨で、恐慌は日常だった。

ケインズの影響は絶大だった。国富論のアダム・スミス、資本論のマルクス、有効需要論のケインズが、経済学の3大巨人ですね。

合理的期待形成

【そしてルーカス】
有効需要論も、(マネーサプライ論も)一時的な失業防止の効果はあっても、長期では有効ではないとしたのが合理的期待形成の理論(ロバート・E・ルーカス)です。人々が、将来を予測するため、現在の政策効果が無効になると説いた。

【合理的な期待=合理的な予想】
<政府の支出増加→将来の増税の予測→現在の支出を押さえる>となると、ケインズが予想した乗数効果、言い換えれば、消費や投資への連鎖的な波及効果が弱まる。マスコミや情報流通の発達による<民度の上昇>ということもできますね。

【ディレンマ】
1996年あたりからでしょうか。財政の破綻が将来の増税になることが、分かった。政府の支出が無駄である、今はいいが将来の生活を苦しくすると、多くの国民が実感で意識し始めたのです。

ただし、無駄とは分かっていても、現在の失業の増加で、経済が更に縮小することは困るとのディレンマに引き裂かれていた。これが1996年です。1997年、金融危機が起こった。後は、政府予算拡大、財政投融資拡大で一瀉千里。

【目まぐるしい首相交代】
金融ビッグバンと増税の政策セットの橋本政権は、キザ、不人気で選挙に破れ、小淵に変わった。小淵は、財政再建と景気の二兎は追わない、景気対策と金融危機の回避をやると言った。

時あたかも米国は、空前のIT景気だった。米国の株高は1998年秋ころから日本に波及、2000年3月には、日経平均が2万円を超えた。その後急落し、ニューエコノミー幻想論に変わった。

引退力士に似た森さんの目玉政策は、彼に似合わないIT国家戦略。私はイット戦略をやると言って笑われ、一本指で巨体に汗をかきeメールを打ったのも事実ですね。マスコミと国民がこれほどバカにした人は、暗愚の宰相と言われた鈴木善幸以来です。<暗愚>ですよ。

【痛み論】
失業と経済構造改革のディレンマに、<2年から3年の痛み>と言って国民的な支持を勝ちえ、4月16日に登場したのが小泉純一郎です。80年代の鉄血宰相サッチャーも、ゆりかごから墓場までの厚い福祉に対し<人の保護で生きるのは、本当は不幸なことです>と登場した。
さて、小泉政権、企業、仕事、生活、ライフプランの行く先は・・・

(第3部終わり:第4部へ続く)


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posted by kawasaki at 07:45 | 福岡 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 04) 真実は何処に
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